《MUMEI》
いただきます
「君は大丈夫?」
「私は大丈夫なのだ!」
 空から落ちてきた少女はそう言って無い胸を張った。
「どうして空から落ちてきたの?」
「えっと、失敗しちゃったのだ」
 えへへ。と、舌を出して小恥ずかしそうに笑う。いったい何に失敗したら突然空中に現われるというのか。
「失敗?」
「そう、失敗なのだ。恥ずかしいからこれ以上聞かないで欲しいのだ」
 もし聞いたとしても分からないだろうと思う。『私は未来人で時空間移動をしている途中で次元獣に襲われてしまったんです』とか言われたらついていけない。
「まずは自己紹介なのだ。私はみかんなのだ! 君はなんて名前はなんなのだ?」
「一条史ノ乃。この村には一昨日に引っ越してきて、今日が初めての登校なんだ」
 慣れない女の子に動揺したのと、空から人間が落ちてきて気が動転しているのが相俟って、余計なことまで口走ってしまった。あーもう、この子がヤバめな人だったらどうするんだ。登場の仕方からして一線をひくべきだというのに。

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