《MUMEI》

「…名誉の負傷って??」



沈黙を破り、青木がおれに問いかける。
それに続いて、周りの女子もおれに質問を浴びせ始めた。



「え…えっとー…」



言葉に詰まっていると、



「あれ!?お前ら知らねーの!?」



瀬田が口を出した。



「猫助けようとして線路に飛び込んだ蓬田さんを
こいつが助けたんだよ!!な?」



そう言って蓬田に笑顔を向ける瀬田。



別に、名誉とか……



教室がざわめく。


女子は、



「かなめ!!それマジなの!?」



と、なぜか嬉しそうにおれに言ってくる。



「ま、まあ…」



頷くと、



「マジ!?いいな〜!!」


「あたしも飛び込もっかな〜」



とか、口々に言い出した。



何がいいんだよ!?
よくねえよ!!あぶねえだろ!!!



―…女って、分かんねー…

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