《MUMEI》

ほどいた帯で私の手首をしばりつけた神君は、着物を脱ぎ始めた。

腰が抜けた私は後退りしたが、…壁に付いてしまった。

「布団の方が楽だと思うぞ」

神君はそう言ったが、私は部屋の隅から動かなかった。

いくら身をよじっても、手首は自由にならない。

…部屋からも出れない。

晶も、来れない。

「来ないで」

私の言葉を無視して、裸の神君は近づいてくる。

「来ないでよ!」

私は足をバタバタと動かした。

「動くと、着物が乱れるぞ。…誘っているのか?」

「そんなわけないでしょう!」

私は真っ赤になって動きを止めた。

確かに、私の着物は乱れていた。

しかし、手が自由にならない私は、着物を直す事ができなかった。

「あぁ、それと。

さっき気付いたんだけどな」

「今度は何?!」

私は神君を睨みつけた。

神君は、私のはかまを下ろしながら…

「そこまで抵抗されると、逆効果だぞ。

…泣き叫んでも、やめないからな」

と言った。

その言葉の通り―

私がいくら『やめて』と泣き叫んでも

『痛い』と訴えても

神君は、最後まで

自分の欲望を私の中で解き放つまで

動きを止めようとはしなかった。

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