《MUMEI》 進化と消滅『主?』 自分の袖を確かに掴んでいたゆきの姿が突然消えた事に、晶は戸惑っていた。 しかも、ゆきの肩に手を置いた神の姿も見当たらない。 『…おい』 晶は、『姫』に話しかけた。 『何じゃ』 神とゆきが目の前から消えたというのに、『姫』は冷静だった。 『…謀ったな』 『姫』の様子から、晶は自分達が罠にかかった事に気付いた。 自分とゆきを引き離し、神が何をしようとしているのか、晶はすぐにわかった。 『主をどこへやった?』 『妾とお主が決して辿りつけぬ空間へ』 次の瞬間。 晶は『姫』の首を絞めていた。 『死にたく無ければ、主を戻せ』 『妾達が死ぬなど…っ…』 『姫』は苦痛に顔を歪めた。 『主の為なら、…』 普通なら、そんな事できるはずは無いと『姫』は言えた。 しかし、晶は今までの分身とは、明らかに違っていた。 もしかしたら、できるかもしれないと、『姫』は恐怖した。 『…もしっ…妾が殺されて…も、主は小娘を、開放したりは…せぬぞ』 『姫』は苦しそうに訴えた。 『何故だ』 晶は『姫』から手を離した。 『姫』は、息を整えると、説明を始めた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |