《MUMEI》
いただきます
「迷ったわけじゃ……」
「でも全然たどり着けないのだ」
 来客用スリッパをペタペタと鳴しながらみかんが廊下を走りだした。
「私が向こうを見てくるのだ!」
「ちゃんと前見ないと危ないよ!」
「大丈夫なの、」
 振り返り手を振った矢先、みかんは廊下の先から出てきた生徒とぶつかった。
「いたたたた……」
「痛いのだー」
 みかんにぶつかられた女子生徒は長い髪をツインテールに結っていて、白い肌に薄い赤縁の眼鏡がよく似合っていた。
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「大丈夫なのだ!」
「みかんさんには聞いてないよ」
「えー? ひどいのだー! 私も心配して欲しいのだー」
 廊下に倒れたままみかんは手足をばたつかせていたが、それを放っておき散らばったプリントをかき集める。
「はい、大丈夫です」
「プリント、これで全部だと思うけど」
「あ、すいません。集めてもらっちゃって」「良いよ良いよ、余所見してぶつかったのはみかんさんだし」

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