《MUMEI》
あいつのこと
「やっぱりねぇ♪」

真実の顔は満足そうだった。
昴の顔は赤くなっていた。


「てかさぁ、なんであいつのこと知ってたの??」

「えっ?あいつ有名なんだよ?」

「有名?」


昴は首を傾げた。


「まぁ有名って言ってもヤンキーの中だけどね」

「そうなんだぁ。てかなんで有名なの?」

「喧嘩が強くて有名なの。てか海原高校は県でNo.1のヤンキー校なの」


真実の話しを聞いて昴は驚いた。


「まぁ、ぶっちゃけ真実会ったことあんのよね」

真実は髪の毛の枝毛を探しながら言った。


「そうなの?」

「うん。あんまり言いたくないんだけど、あいつたらしだよ」


その言葉を聞いても昴は驚かなかった。
昴も雅史を見て「軽そう」だと思ったからだ。


「じゃあ、私も遊ばれるかもしれないの?」
「ない、とは言えない」

「そっかぁ…」


…もしかしたら私も遊びかもしれないんだよね。
てか、他に女がいるかもしれない。
そうなるとなんか嫌だな。
好きだけど、
好きなんだけど、
もしそうならキッパリと諦めよう。
男に遊ばれるなんて嫌だから。



「てかぁ、昴はなんで好きになったの?」

「えっ?ん〜、自分でもわかんないの」

「まぁ、恋に無関心な昴が好きになるくらいだからなんか理由があって好きになったんじゃない??」



…好きになった理由。
あいつは、
ヤンキー、
ちゃらちゃらしてる、
バカそう、
軽そう、
エロい、
礼儀を知らない、



いいとこなしじゃん。
でも性格は悪そうには見えなかった。


なんだろ…?
私が惚れた理由。

ぶっちゃけ言ったら、
顔は結構タイプだし、
めっちゃムカつくけど性格は別に嫌いじゃない、
むしろ好きなほうだ。


やっぱりわからない。
好きになった理由…。

考えるのはやめよう。
とにかく私はあいつが好きなんだ。




そして、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。

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