《MUMEI》
プロローグ
死≠ニは何ですか。

いつか必ず訪れるものですか。

死ぬこと≠許されない者は、生きる≠アとも許されないのですか。

何故、人は死ぬのですか。



人は、永遠に生きることを許されませんでした。

短い時のなかで、
喜びを知るために。
後悔を知るために。

哀しみを
知るために。


人は、永遠に生きることを許されませんでした。

人間は罪深い生き物だから。
自分の罪を知るために。
罪を二度と犯さないように。
過ちを
心に刻み込むために。


私は、死ぬ事を許されませんでした。
そして、生きることも許されませんでした。

でも、存在することは許されたのだから――

喜びを知るために。哀しみを知るために。
ココロを知るために――

私は、生きる資格が欲しかった。
そして、死ぬ資格も欲しかった。
永遠≠ノ存在することが、一番哀しく、残酷だから。

それでも、私は存在出来て、嬉しかった。

存在する資格さえもなかったら、
青い空をみることもなかった。
小鳥のさえずりを聴くこともなかった。
薔薇の薫りを嗅ぐこともなかった。

貴方に出逢うこともなかった。

だから。
私は。

貴方に、
感謝します。

いつか貴方が消えてしまっても。
貴方を忘れないで
存在していたい。


死ぬことは許されなくても

消滅することは許されたのだから。

地球が終わりを迎えたときは
最期は
貴方の
傍に
居させてください。

たったひとつの
私の
願い。


貴方が眠るときは
必ず私が傍にいます。

だから。

そのときは。

安らかに
逝ってください。


Misia

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