《MUMEI》
授業 〈おれ〉
授業が始まった…


…途端、眠くなった。


―…てか、瀬田マジでふざけんなよー

おれの点数バラしてんじゃねーよ…

戻ったらシメてやる…



あーやばい…瞼が重…




------------




「蓬田さん!?」


「はいっ!!?」



…というやり取りで目が覚めた。


見渡すと、数学のなんたら先生が(名前忘れた)
蓬田を見て固まっていた。



「…あの、椎名くんは答えなくていいのよ??
先生は、蓬田さんに声をかけたんだから…」



そう言って、おれの方を見る。



「…は、はい…」



真っ赤になって俯く蓬田。


周りから笑い声が起こった。

おれも思わず吹き出す。


と。



「蓬田さん!」



おれに向き直る教師。



「あなたが寝ていたからですよ??…珍しいわね」



教師は、少し心配そうにそう言った。



「う、あ、はい…」



そう答えて、きちんと座りなおす。



…そっか。



…おれがやること全部、
蓬田がやったことになんだな…


意地でも起きてなきゃなんねーってことか。




うー…





…がんばるか。

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