《MUMEI》 ごゆっくりどうぞ*** 「ありがとー♪」 女の子は お皿を引き寄せて 小さなフォークで ケーキを口に運んだ。 「おいし―♪」 そしたら 薔薇みたいな色に ほっぺたを染めて 女の子は笑った。 僕は その笑顔が嬉しくて 思わず 見つめてた。 「どーしたの?」 「あ、いえ」 僕は ちょっと ドキドキした。 「ごゆっくりどうぞ」 お辞儀をして カウンターの向こうに戻ろうとしたら 女の子が 僕を呼び止めた。 *** 前へ |次へ |
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