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《MUMEI》 いただきます「え? そんなこと」 「あるのだ。あ、私のことも呼び捨てでいいのだ」 そんなに分かりやすく豊澤さんを見ていただろうか? そんなことを考えているとまたみかんが話かけてきた。 「ところで史ノ乃くん、呼び捨てってなんなのだ?」 ――田舎の授業はとてものどかだった。都会での生き急いだ授業ペースのおかげで、史ノ乃はこっちの授業を比較的楽に進めることができたのだが、 「史ノ乃くんここがわからないのだ、あとここも。こことここも」 「どれどれ? あーここはこう。そっちは、うーん……こうしてこう」 「わけわかんないのだ」 さっきまでの元気なみかんはどこへいったのか、机に突っ伏してシャープペンを咥えている。 「史ノ乃くん頭良いんだね」 「そんなことないよ。前の学校でちょっと先に進んでただけだし」 豊澤さんに褒められ少し恥ずかしくなった史ノ乃は、照れ隠しに後頭部をポリポリと掻いた。そんな史ノ乃を見てみかんは自信満々に頷いた。 「決めたのだ」 前へ |次へ |
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