《MUMEI》

『強くなれる』

その言葉に惹かれ、言われるままに、神尉は『女』を学び始めた。

使用人の女は当主やその息子の神尉には逆らえなかった。

最初は興味が無かった神尉も、いい気晴らしになると、その行為を楽しむようになった。

和泉学園中等部に入学した頃には、既に神尉は数人の女を経験しており。

成長期を迎え凛々しくなっていく、外見に、経験済みの大人の色気が加わったからだろうか。

神尉を見る女達の目が変わっていった。

「神尉君、好きです」

「俺の?どこが?」

こんなやりとりが、日常茶飯事になった。

「かっこいいし、頭もいいし、剣道強いし…」

これも、いつもの女達の答え。

「ふぅん…」

意味があるのか無いのかわからず続ける『守護神』としての仕事。

次期当主としての、自由の無い生活。


虚しさの中、束の間、神尉の気晴らしになるのは…

「えっ…あっ…嫌…」

「こんなになっといて、どこが?」

「っ…あっ…ハァ、…」

「気持ちいいんでしょ?」
自分の行為に簡単に足を開く女達との情事だけだった。

最初は嫌だと言う女も、神尉の手慣れた愛撫には敵わなかった。

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