《MUMEI》

「スイマセン……一緒に」

四回目だぞ乙矢……!


「回りましょう!」

東屋が女性方に向かって勢い込む。
次は乙矢に断らせないつもりだったのだろう。

乙矢が今までにない程東屋へ無言の怒りをぶつけていたのは言うまでもない。

これが二人を見た最後だった。





人込みに押されて出店まで戻っていた。
二人は見えない。


どの角度を見ても人、人、人。



 これ……、迷子だ!!

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