《MUMEI》
物語をしましょうか
***

「ね、もうちょっとだけ、ここにいてもいい?」

「いいですよ」

僕は

少し

嬉しくなった。

女の子は

椅子から降りると

また

僕の前に

しゃがんだ。

「ね、何かして?」

「そうですね‥」

僕は

少し考えて

思いついた。

「物語をしましょうか」

「物語?」

「はい、とっておきの物語を」

***

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