《MUMEI》

興奮している神尉に対して、神那は驚くほど冷静だった。

「え…?」

「まさか、無理矢理抱いた相手が自分を許すなんて、思ってないわよね?

…少なくとも、私は一生許さないわよ」

神那は本気だった。

その言葉に、神尉は神那から退いた。

「大体、いきなりどうしたの?」

「神那と離れたくなかった」

気まずくて、目を反らしながら神尉は答えた。

「…どうして?」

神那が神尉を覗き込んだ。
「わからない。神那に会えなくなると思ったら、夢中で。

女を抱くのは慣れてたし。
とりあえず抱いておけば、後はどうにでもなるって…」

神尉の言葉に、神那はため息をついた。

「『とりあえず』って…
普通は抱くのは最後でしょう?

全く、何もわかってないのね」

「そうなのか?」

神尉は驚いた。

驚く神尉に、神那は呆れながら続けた。

「そうよ。
まず、お互いの気持ちを確認してからするの。

ねぇ、神尉。

…あなたは、私をどう思っているの?」

「どうって…」

神尉は戸惑いながら、思いつくままに言葉を口にした。

「神那は可愛い。
胸もある。…一緒にいると癒される。楽しい
離れたくない。一緒にいたい。触りたい抱きたい」

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