《MUMEI》

「合作〜?スゲー!



惇はこんな落書きに音つけられんの?
うわ〜!聞かして!」


「…何となくでメロディつけてるだけだって!じゃー適当に!」





素人丸出しの曲、だけどリアルな切ない想いがいっぱい詰まっている。




自分の気持ちも一緒に折り混ぜて、夢中で二人、一曲完成させる。






「なかなか良いねー、録音しね?ドライブの時聞くから!」




「ドライブ!?伊藤さんに俺の歌声聞かせんのかよ!マジ勘弁!」




「でも惇はスゲーよ、俺は音楽なんて聞くだけしか出来ねーもん」





「そんな事ないよ、裕斗作詞の才能スゲーじゃん!歌だって…俺より上手いし…」





いい加減遅い時間になって狭いベッドに一緒に眠った。






寝付きの良い裕斗の胸に顔を埋めると安眠効果抜群。




仕事が上手くいかなくて不安でいっぱいの毎日。






でも今更後に引けないし負けたくない。







ふと内藤の事を思いだす。







本当に…俺アイツと付き合うの?









いや、もしかしたら
あれは冗談で連絡こないかもしんないし…。








はー…。






隆志に抱かれた感触もまだまだ抜けなくて…。















俺は一体何処に向かっているんだろう?

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