《MUMEI》

「……骨……」


白い固形、其の形はまごうことなき頭蓋骨だった。




林太郎は急激に体温が下がっていくのを感じた。

叢が袖や裾をつまむのを振り切り、林太郎は走る。

動揺と困惑により、林太郎は逆走していたことに気付けなかった。

ただゝ、林太郎は夕日に向かって走っていた。

両手を振りながら指は橙色を掻き毟る。

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