《MUMEI》 白ク「……骨っ」 白い塊が点々と落ちていた。 林太郎の足が竦み上がる。 其れは落ち着いて見ると紙飛行機だった。 つまり、点々と墜ちていることだ。 白い列は不気味さが漂う。 拾い上げた飛行機は破かれた洋書だった。 耳をすませば、聞こえるのは風と共に吹かれる囀りで、一つ疑問を挙げるとすれば、その囀りは独逸語に鳴いていたことだろう。 林太郎はそうと理解すれば突き進むしか無かった。 前へ |次へ |
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