《MUMEI》 学校「おはよう!谷口くん」 「あれが谷口くんだよね!」 「声かけてみようよ」 「私一緒に写メ撮りたい」 「メガネ取ってもらう?」 ……一体なんなんだ? ――ガラッ 「あ…っ谷口くん、おはよう」 「……おはよう…ございます」 どうしてみんなが急に話しかけてくるのかがわからない。 「谷口」 「永井…さん?」 「ゴメン、みんなに喋っちゃった」 「………何を?」 永井は変な顔をした。 「昨日…あたしが見たことを、よ」 ………昨日? だって昨日オレ学校休んでたはず。一体…何がどうなってるんだ。 「あ、そのズボン…昨日倒されたとき付いた土?」 「……え?」 倒された?誰が?誰に? そういえば昨日有理の髪の毛に茶色いものが付いていたような……。 ……まさか有理が!? 「谷口?どうかしたの」 「いや……何でもない」 身体弱い癖に、何してるんだよ。有理は一体何をやらかしたんだ? 「ねぇ伊久子、谷口くん何か昨日と違くない?」 「うん……。昨日のこと何も覚えてないみたい」 「雰囲気も違うよね」 「どうしたんだろう」 有理……。どうして学校に行ったりしたんだよ。オレには有理がわからない。いつも勝手なことするけど、何で眼鏡取ったりしたんだ。オレがどんな気持ちで前髪下ろして、伊達眼鏡かけて学校通ってるのか、全然わかってない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |