《MUMEI》
出発
「なんか楽しみだな…学校かあ。
全寮制らしいし…
それに、誰とペアになるか楽しみだしなあ。」

そんな事を考えながら、ゼノンは腰に二本の片手剣と一本の長剣をさし、カラーコンタクトを付けた。
真紅の髪と眼を見れば、皆が『紅き刃』だと分かってしまう。
そんな面倒は避けたかった。

ゼノンはしばらくの間、左手にはめた三つの指輪をいじくった。
二度と取れないその抵抗指輪は、どれも可能な限り魔力を抑える効果がある。

ゼノンはそれらをつけていないと魔力のオーラが溢れ出てしまう(つまり正体がバレる)ため、普段はそれらをつけているのだ。
ちなみに、よっぽどの事がない限り、任務中にも外さない。

抵抗指輪にたまっていく魔力も使えるため、ゼノンは魔石指輪に毎日かなりの量の魔力を溜め込む。
というか、吸収させる。

魔石に貯まった魔力は使えるのだが、ゼノンはやはりまだ使ったことはない。

「さて…時間だ。」
呟いた瞬間魔法陣が展開し、ゼノンは闇に飲み込まれた。

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