《MUMEI》
魔法の実力調査
無詠唱でやってしまった。
普通、魔法は詠唱をしてから使うのだ。
無詠唱は、初級の魔法でも中級くらいの実力は必要なのだ。

「無詠唱ですか。なるほど、しかし、最高の魔法とは、威力の話ですよゼノン君。今のレベルなら、中級くらいいけるでしょう?」
(はあ…バカした。
しかもみんな見てるし。)
入学当初で中級くらいのレベルといったらかなり凄いのだ。

「ゼノン君。一番威力の高い魔法を使ってもう一度やってください。」

(しかたないか…)

「炎よ。その力をもって龍の息吹の如く全てを焼き尽せ。
ドラゴンファイア!」
中級の中でも下位である技だ。

ゼノンの右手から火炎が放射された。

魔力を調整して火力は弱めにした。

「スゲエ」
誰かが声を上げる。

「では、最後。ゾーラ・シックネス」

「僕はシックネス家の跡取りだ。気安く名前を呼ぶな!」

いかにも気取った感じの少年が言った。
金髪のオールバック。
誰かに似ている。

(うぜぇ…)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫