《MUMEI》
違うタイプ
大ちゃんに電話をしたら2コールで出た。


「加奈の友達の美樹子です。覚えてる?」


まさか忘れてはないと思うけど…


「当たり前じゃん!覚えてるに決まってるだろ」


当たり前って何!?
やはり例のことがあったから…


「いきなりどした?」


「ごめんね突然…なんとなく大ちゃんに電話しよっかなぁって思って…ヘヘヘ」


「そっか」


少しの沈黙の後、


「そう言えば鈴木とこの間飲んだよ」


大ちゃんから鈴木の話を出してくるなんてラッキー


「らしいね!」


「あ、聞いた?」


聞くも何も…中途半端なことすんなって起こられた…とは言えなかった。


「鈴木と言えば、あいつ失礼なんだよー!私に色気がないとか無理とかさ。」


「アハハハハ、俺にも似たようなこと言ってた!?」


はー?マジで!!
すっごいムカつく!!
どうせ私なんて…


「大ちゃんにも言うなんて…相当、私のこと拒否ってるよね…」


ショックさを隠すために、敢えてキレ気味に言ってみた。


「拒否っていうか…今までにいないタイプだからじゃね?」


いないタイプ?


「今まで鈴木の回りにいる女って、みんな鈴木に猛烈アタックモードで、どっちかっていうと鈴木が食われるような感じだからなぁ」


へぇー意外。


「でもそれって食われるんじゃなくて…来るもの拒まずっていわない?」


「ハハハハハ、たしかに。でも先に近づいてくるのは女からだよ、あいつの場合」


本当に女が放っておかないくらいモテてたんだ…


「じゃ私は近づかないから違うタイプってこと?」


「うーん、なんとなく雰囲気が違うって感じかなぁ……………………もしかして惚れた?鈴木に…」

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