《MUMEI》 報告を終えた神は、『金色の男』をその場に残し、立ち上がった。 「…待ちなさい、神」 ようやく神楽は口を開いた。 しかし、神は動きを止めず、そのまま当主の間を出ようと歩き始めた。 「待ちなさいと言っているでしょう?! 止まりなさい!! 神! 神!!」 神楽の叫びは悲鳴に近かった。 そんな神楽に、神はきっぱりと言い放った。 「それはもう、俺の名前ではありません。 今日からは、そこにいる…かつて『姫』だった者が『御剣 神』です…『神楽様』」 ―と。 「そんな事、認められるわけがないでしょう! 神は、私の息子はあなただけよ!」 「その『神』は、自分で剣を生み出せます。 当主としてふさわしい行動をとるように、命令もしてある。 決して道を外れる事は無い、最強の『守護神』です。 肉体も、人間と変わらない。 何の不都合がありましょうか?」 神の問いかけに、神楽は反論出来なかった。 他の『守護神』も、反抗的になった神よりも、この『新たな神』の方が、より当主としてふさわしいように思えた。 「私は…私は、どうなるの? 神!」 翔子が問いかけた。 前へ |次へ |
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