《MUMEI》

寮の前。
鍵を部屋に差しこんだ瞬間…

「あなた…まさかコソドロ?」

後ろを振り向くと、ユイが立っていた。

ゼノン「いや!ここ俺の部屋だし!」

ユイ「言い訳しても無駄よ。
部屋には部屋主の名前が魔法で刻まれるから。
そこを見れば分かるわ。
ここは間違いなく私の部屋よ!」

ゼノン「いや…だってこの鍵で扉開くし…。」

ガチャ

扉が開いた。
そして、ゼノンはあり得ない物を見た。

壁にかかったボードには、『ゼノンとユイの部屋』と書かれていたのだ。

ユイ「嘘…でしょ?」
ゼノン「このボードはソーヤ…じゃなくて学園長の魔法がかかってるはず。
だとすれば…
俺とお前がペアってことだな…」

ユイ「…そんな…私はレディーよ!!」

ゼノン「俺じゃ不満か?」

ユイ「べっ 別に…いいけど。」

耳まで真っ赤になりながらユイが答える。

ゼノン「じゃあ、お前があの部屋で…」
と、一番小さな部屋を指差す。
「…んで俺があの部屋。」
と、次は一番広い部屋を指差す。

ユイ「いやよ。
そもそも、寝室は一つだし、その上ベッドもツインベッドだし…
完璧にカップル用よね…。」

ゼノン「んじゃ、俺は寝る。」

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