《MUMEI》
理由
「お前が・・人を殺したい理由って何なんだ?一番殺したい奴って誰なんだ?」
「売人の男の人が言った通りよ。私の殺したい相手は・・私の父親・・・それと・・・母親・・・」
「でも・・・あのとき・・母親は父親に殺されたって・・」
「義母なの・・今の母は・・」
「そうか・・」


 私は人を昔から信じなかった。母さんが居なくなって、すぐに信じるって心を手放した。皆、人を心から信じてないと思うから・・私も信じない。
 人は結果的に1人で生きていく生物だから。


 母さんが死んで、すぐに今の母がきた。あたしはそのとき・・うすうす気付き始めた。
 この人は・・母さんが死ぬ前から・・父さんとなんらかの関係があったと。
 そして、母さんと父さんとは昔から仲が悪かったし、父さんは母さんが嫌いだったことを考えて・・父さんと義母は愛人だったんだって気付いた。
 いつのまにか、義母として私たちの家に住む事になった。
 義母は最低だった。父さんが家に居ない間、私に暴力を振るってた。時には、意識を失ったときもあった。でも・・そのときは・・昼寝してからずっとおきないだとか、風邪引いて寝込んだとかいってごまかした。

 学校では、義母は本当のお母さんじゃないとバレていじめられた。
 本当にひとりぼっちだった。


「何で・・あんな事・・・されなきゃいけなかったの・・・・・・」
と1人つぶやいて歩いていたら・・薬の売人にあった。

 そして・・大翔に出逢った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫