《MUMEI》
良心の呵責
バイトから帰り鈴木に電話をした。


「今日の夕方のメール何?」


鈴木の返事に返信をしていなかったので、鈴木に尋ねられた。


「あぁ、ううん、あれもういいの」


「はぁ?何それ?」


「だって嫌なんでしょ?だから中止」


「ま、面倒くさそうだったしいいけどね」


ここからが本番。
鈴木を木屋町に誘い出さなければ!!!


「それよりさぁー、今度飲みに行かない?」


飲みなら来るはず!!


「え?誰と?」


鈴木は分かっているくせに聞いてくる。


「私と」


「二人で?」


「二人で」


「えぇぇぇぇ。お前と二人でー」


鈴木はわざと大げさに嫌がる。


「私と二人じゃ何か問題でもございますか?」


「大あり!」


くぅーっ、相変わらず失礼!
しかも嬉しそうに言わなくても。


「いいじゃん。行こうよ!!」


なんで私が、こんなに一生懸命に誘わなきゃいけないのよ・・・


「なんだよ、今日は積極的じゃん。何かあった?」


おっと、勘が鋭い。


「いや別にないけど・・・じっくり話でもしたいなと思ってさ」


ていうかリナさんがしつこいの!


「相談したいことでもあんのか?」


鈴木が少し真面目になった。
もしかして心配してくれてる?


「相談は・・・・・・ないけど色々」


「なんだそれ」


なんなんだろうねぇ本当に。私が聞きたいよ。


「ま、いいや。で、いつがいい?俺は今週は駄目だから、来週以降にしてくれよ」


「え?いいの?来週以降ね!ちょっとバイトのシフト確認してから、また連絡するー」



きっと鈴木は私が相談したいことがあると思って約束してくれたんだ・・・。

なのに・・・ごめん!

ちょっと良心が痛むけど、一日だけお願いします。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫