《MUMEI》
「な、嬉しくてキスしたくなんない?」
「う〜ん、しちゃおうかな…」
内藤は、嬉しそうに膝立ちで俺の隣にズルズルやってくる。
「チュッ!」
青い花に短くキス!
「あ〜!良い匂い!」
「おい!花とかよ!俺とわ〜?」
「…するか、キショイ!」
「なっ!!き、キショイ……」
内藤の奴伸びてた鼻の下一気に縮んだ。おもしれ〜。
「…やっぱ男同士って抵抗ある?」
ジッと俺を見据えながら泣きそうな情けない顔で言ってくる。
テレビの中では自信たっぷりに歌ってるのにね、めっちゃおかしい。
「う〜ん、男同士ってよりも相手にもよるかな、女でも変なのは嫌だし」
するとコイツいきなりマジで泣きだした!
「マジで俺、キショイ?こんなに…好きなのに…、加藤と付き合えて…
スゲー嬉しくて…、
会いたくて来たのに」
がっくりうなだれられ、空気重たくなった。
バラエティじゃ明るくて確りしててグループのリーダー。
確か学校でもそんな感じだった。
人間恋するとこんなんなるんだろうか?
それ共本当のコイツはこんなんキャラだったのか?
あ〜あ、男前台無し。
泣き顔不細工。
「10秒…」
「え?」
「10秒で泣き止んだらキスする」
「へ?」
ポカ〜ンとしながらバカみたいに俺を見ている。
「4、5…6…」
「わ、わっ!!」
慌てて腕で涙拭ってる!
内藤おもしれ〜!
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫