《MUMEI》
死界への扉
ウールは泣き崩れていた…

「お前が殺ったんだな……」

「御名答」

「何で2人を殺した……」

「何で?そこのくず共が裏切ったからだよ?」

「だから殺したのか………」

「そうだよ…帰る時間だ…後は好きにして良いよ…ザルエさん死界で待ってますよ…」

そう言うとアレルヤは死界への扉を開いて二つの死体と共に扉の中へと消えてしまった……

「許さない」

そう言ったザルエの瞳は翠色になっていた……

「ルキルスの与えてくれた力…翠眼…緑牙槍…」

ザルエがそう呟くと地面が唸り始める……
そして地面から木の根が出てきて全ての兵達を貫いていた………

「ウール………」

「ウールちゃん…」

リツがウールに近づいたその時……

「リツ!!」

ザルエはリツを止めた……
するとウールは立ち上がった……

「心配させてゴメンね……」

「大丈夫…か?」

「うん」

「ウール……死界へ戻ろう…」

「うん…」

「私も行く!!」

リツは真剣な眼差しだった…けれどもザルエは来るなと言わんばかりの剣幕になった……

「リツは残ったほうがいい…」

「何で?」

「もう…戻って来れないかもしれないからね…」

リツは何か言いたげにザルエをみていたが何も言わなかった…
そしてザルエは死界への扉を開いた…

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