《MUMEI》
内藤視点
だいたい想像はつく。





加藤は…きっと…男に無理矢理犯された。






その事が今一気に爆発した。




今までその事いっぱい我慢して…抑えてきたんだ…





小さな躰が震えている。





やり場のない想いが指先に凝縮するかの様に俺にしがみつく。






加藤!加藤…、ごめん、




俺のせいで怖い事思いださせて!!






思わずとはいえ床に倒した自分にも腹が立って仕方がない。





軽率だった






…軽率だった…






情けない、夜な夜な妄想してきた自分にも汚さを感じ吐き気さえ覚える。





「帰って…」





漸く落ち着いた加藤から出た第一声。






テーブルに伏して全身で全てを拒絶している。





「平気?」






「いーから帰れ!!」




「…」










俺はマンションを出た。





今はそっとしてあげないといけないのを悟ったから。






「なんてことしてくれたんだ、誰だよ…」







――どうしても立ち去れなかった。





加藤から少しでも近いところで気持ちだけでも守りたくて、俺はバカみたいにコンクリートの廊下に暫く座り込んだ。






動けない。






呼吸が苦しい。






死にそう。









加藤!





加藤!!





ほっとくなんて、俺には無理だ!!




バンッ!!





「ゴメン!」






ずかずかと部屋に入る。






「な!内藤?」





ベッドに転がっていた加藤は慌てて起き上がった。

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