《MUMEI》
いただきます
 午前の授業が終わり新たなクラスメイトからの質問責めにあっているとみかんが人集まりを掻き分けて史ノ乃の腕を無理矢理に掴んだ。
「えっ? 何? どうしたのみかん」
「お話があるのだ」
 たたらを踏みながらみかんに引かれるがまま教室を出て廊下を進んで行く。みかんは他の生徒たちからの注目など気にしてはいないようだ。
「話って何?」
「人が居たらまずいのだ」
 人が居たらまずい――告白か何かの類か? しかし今日会ったばかりだし……確かに劇的な出会いではあったけど、
「あってるけど違うのだ」
 そんな考えもみかんに見透かされてしまう。どうにもこの少女は人の気持ちに敏感なようだ。
「ここで良いのだ」
 みかんに連れて来られた場所は一階と二階の間、階段の踊り場だった。
「ここだと人来ちゃうんじゃない?」
「大丈夫なのだ!」
 まったく根拠の無い笑顔で無い胸を張る見やり、史ノ乃は微苦笑で応える。

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