《MUMEI》 僕はハリネズミなんです*** 「お待たせしました」 「ありがとう」 王女様は 角砂糖を ひとつ カップに入れた。 それを スプーンでかき混ぜながら みんなと お話をしてくれた。 それから 僕の方を見た。 「どうなさいました?」 僕が聞くと 王女様は 確かめるように 僕を見つめた。 「あの、ラテはもしかして──」 「僕はハリネズミなんです」 すると 王女様は 納得したみたいだった。 「御母様から聞いてます。ルカさん達と冒険をしたハリネズミの少年がいた、と。やはり貴方だったのですね」 *** 前へ |次へ |
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