《MUMEI》 考えて、神は大きなため息をついた。 自分は何て浅ましい生き物なのかと、自己嫌悪に陥った。 だから、紗己の提案は正直助かった。 もし仮に、ゆきに『精気あげるね』などと言われ、 生き血の時のように無防備に肌を晒され… 『…吸って?』などと頼まれたら… … 神はまた大きくため息をついた。 晶の記憶の中の、ゆきの淫らな姿を思い出すなんて… 「最低だ」 自分が嫌になった。 そして、反応しかけた…している自分の下半身も。 「最低だ」 神はまた呟いた。 無言で側にいて 晶のように振る舞い 性欲など、もってのほか これは、想像以上に困難な事だ。 そして、神の 自分の醜い欲望との、長い長い戦いの日々が始まった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |