《MUMEI》 味方?どうやらリナさんは鈴木と初めて会った時に一目惚れをしたらしい。 でもその時は友達である恵子さんに先を越されたんだそうだ。 「恵子はめっちゃ積極的やから、気付いたら……って感じやで」 しかし、その恵子さんもポイされて、鈴木との接点がなくなったところに私が現れたらしい… 「よくも私のこと利用したわね!?」 オーバーに怒ると、 「偶然が重なると運命みたいやん」 相変わらず都合の良い言い訳をする。 「いかにも鈴木のこと知りませんって顔して白々しいのよ」 騙された上に利用されたので、言いたいことはストレートに言った。 「本当のこと言えば良かったのに…」 「本当のこと言ったら協力してくれた?」 リナさんが逆ギレする。 「言われなくても協力したじゃん…」 私もキレてみる。 「期待したほど協力的ちゃうかったで」 リナさんはプイッとして、私の方に向き直って口を開いた。 「美樹子さん、鈴木君のこと好きやろ!」 絶句… 「見てたら分かるで」 否定するのも不自然な気がして… 「好きじゃないけど、気にはなるかな…」 と、素直な気持ちを言った。 「変な言い訳」 リナさんが感じ悪く言う。 「言い訳に聞こえた?」 「聞こえた!!」 なぜかリナさんと顔を見合わせて笑った。 「アハハハハハ、美樹子さん頑張って」 リナさんは言った。 「何を?」 わざと聞いてみた。 「もうえぇっちゅうねん!」 リナさんは突っ込みながら、 「鈴木くんもまんざらでもなさそやったし…」 と付け加えた。 「私のこと応援する前に自分のこと頑張ったら?」 私が憎まれ口をたたくと 「なんか鈴木君は私向きじゃなかったわぁ〜」 と、リナさんはおどけた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |