《MUMEI》
不思議君
家に戻るとリナさんと見たことない男性がいた。


誰!?
あの人は…


「あ!美樹子さんお帰りなさい♪部屋の主の美樹子さんのお帰りやで」


リナさんが嬉しそうに男性に私のことを説明する。


男性をチラッと確認すると、あか抜けていて素敵な感じだ。


「美樹子さん、これタツヤ君」


タツヤ…って何か聞き覚えがあるような…


私がポカーンとした顔をしていたのでリナさんが慌てて付け加える。


「ほら!鈴木君の友達」


リナさんに鈴木を紹介した人だ!
この人がタツヤ君…。
類は友を呼ぶのか、鈴木と似た雰囲気だ。





ていうか…なんで勝手に私の部屋に人を連れ込んでんだ、この女は…。





「ウッチー」


いきなりタツヤ君が私の顔を見て言う。


は?


「ウッチーだよ。内田恭子に似てるって言われたことない?」


あぁ、そのウッチーね。


「え!!!美樹子さんがウッチー?言われてみれば似てる気もするけど…、そこまでの美人ちゃうで」


リナさん、一言余計!



「ウッチーは言われたことないけど、相武紗季なら言われる…ヘヘヘ」


少し調子に乗って言ってみた。


「相武紗季こそありえへん!!」


ムッ!!
だからリナさん余計だっつーの。



そんな私たちの会話にお構い無しでタツヤ君が続ける。


「美樹子さんて…鈴木と知り合いなんだよね?」


「一応…同じクラスだけど…」


なんなんだろ?


「ウッチーだと思う」


タツヤ君は繰り返し私のことをウッチーと言う。

悪い気はしないけど…タツヤ君て…なんか不思議な人だなぁ。




「タツヤ君は鈴木といつから友達なの?」


次は私から質問。


「中学から一緒なんだ」


「じゃぁS高?」


タツヤ君がうなずく。


「バンドを一緒にやってたんだ、昔からの悪友だよ」


なるほど。それで雰囲気も似てるんだ…


リナさんがタツヤ君に私には話しても良いかこそこそ許可を取って、いきなり立ち上がって、


「なんと…この間から二人だけでデュオとして再開したんやって!!」


大ニュースのように言った…

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