《MUMEI》

「ん?」

裏口から入ると、妙な違和感を感じた。

僕は家の中を見渡す…。

床が血だらけなこと以外、いつもの台所と変わらない。

だが多摩川へ出掛ける前と何かが違う。

なんだろうか?と考えこむ僕の隣で、ノリスケ君が口走った。

「あれ!?カーテン閉めたよな!?」

「え!?ノリスケ君。カーテンを開けっぱなしで出てきたのかい?」

だがノリスケは青ざめた表情で、首を横に振っている。

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