《MUMEI》

やがて日が沈み、街にネオンライトが煌めいた。

街角には売春婦が立ち並び、銃を持ったテロリストと交渉している。

街全体が、いつもと変わらない夜を迎えようとしていた。


マークは予定までの時間を使ってナイフを研いでいた。

「シャリン…シャリン…」

小さな研磨音だが、ヤケに気になる。

マークの手はオイルでベトベトだ。これでは突早の行動ができない。

だが常にギリギリの緊張をしいられる戦場では、何かに没入して気を紛らわせたい気持ちも理解できる。

俺はマークの代わりに周囲を警戒し続けた。

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