《MUMEI》 4あたしは気を張っていたんだろう。 一人になると急に眠気が襲ってきた…−− 次の日 京都の古い町並みと桜並木の趣ある道を歩いていた。 朝の登校。 学校につくあたし。 教室にはまだ誰もいなくて、しんとしていた。 早く来すぎた… あ…足音! 「お」 誰かの声。 振り向くあたし。 「おはよ」 人なつっこそうな大きい目があたしの目をとらえる。 かわいい感じの男の子。 あの子だ…! 「お、はよう」 何どもってんの、あたし! 「早いね」と男の子。 「そっちこそ」 「俺はいつも早起きなの」 男の子は黒板のクラス名簿に寄っていく。 あたしも無意識のうちに少し近づいてしまう。 「なんていうの」 「え?」 「名前」 「三紀崎…っす」 「んー…これ?」 とあたしの名前を指差す。そして 「前の方だなあ かわいそー」 と屈託なく笑う。 「えーと。君は…?」 あたしは黒板にもう少しよってみる。 男の子はあたしの方に振り向いた。 「心。花端心」 はなばた、こころ… 前へ |次へ |
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