《MUMEI》 吐き出した言葉〜海視点〜 さっきの栄実の言葉が、本心ではないことは分かっている。 だからこそ、自分を偽ってまで約束を守ろうとする栄実に 栄実をそうさせてしまっている自分に・・・腹が立つ。 そんなイライラは、俺の声となり栄実に飛んでいった。 「本当はそんなこと思ってないくせに! 自分の気持ちに気付いてるくせに・・・! 何でそんな過去ばっかにこだわって今を大切にしようとしないんだよ!!」 ・・・・・・・・・・ 言い終わった後で、慌てて自分の手で口を塞ぐ。 しかし吐き出した言葉は、返っては来ない。 沈黙が続く・・・。 俺は、さっきの失言をフォローする言葉を必死に探した。 しかし1言も思いつかない。 それから暫く沈黙が続き、沈黙を破ったのは――。 「海にそんなこと言われる筋合いない・・・! 今まで、一度だってそのことに触れたことなかったのに 今更何で、そんなこと言うの!?」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |