《MUMEI》

「「そうなの?」」

リィン


私と紗己さんの質問に、晶は返事をした。


「でも、私を仲間に入れてもらっても良かったんじゃない?

私もゆきの誕生日、祝いたかったのに」

「たまには、紗己さんより目立ちたかったみたいですよ」





沈黙の後


晶以外の三人は、思わず笑ってしまった。


「晶、子供みたい」

「「ね〜」」


私の言葉に、紗己さんと汐里は同意した。


リィン リィン


晶は大きな音で抗議した。

私達は、また笑った。


お腹が痛くなる位、笑ったのは久しぶりだった。


「あの、ゆきと二人で話をしてもいいですか?」

「いいわよ」

リィン


汐里の言葉に、紗己さんと晶は席を外した。


「かっこいい恋人に、優しいお姉さん。

お姫様みたいね、ゆき」

「違うよ。晶は恋人じゃないし」


「ふぅん」


汐里はそう言ったきり、黙ってしまった。


「汐里」


「ねぇ、ゆき」


口を開いた汐里の口調は、真剣そのものだった。


「…何?」


私は少し緊張しながら続きを促した。


汐里は、誰もきかない質問を、私にぶつけてきた。


「これからどうするの?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫