《MUMEI》
*知らせ*
それは

授業中に起こった。

「春日丘っ、ちょっと来てくれ!」

「ぇ‥、え!?」

あたしは

隣りのクラスの男子に

教室から

廊下に引っ張り出された。

「何‥?」

「知ってるか‥如月が倒れた事‥」

「ぇ‥?」

嘘でしょ‥?

咲也が‥

倒れた‥?

「──何やってる春日丘、教室に戻りなさい」

「す、すいません‥」

あたしは

教室に戻った。

さっき言われた事が

ずっと

頭から離れなかった。

「‥‥‥‥‥」

「菜花ちゃん、何かあったの?」

捺芽ちゃんが

心配そうに

あたしを見た。

「‥‥‥‥‥‥」

捺芽ちゃんなら‥

聞いてくれるはず‥。

「あのね、捺芽ちゃん」

「ん?」

「咲也が‥倒れたの」

「えっ!?」

「シィッ‥」

「あ、ごめん‥」

「本当かは分からないけど‥あたし‥心配で‥」

「ケイタイは?──あ‥病院とかにいたらダメか‥」

「咲也‥‥やっぱり‥引っ越しで疲れたのかな‥。それとも‥病気なのかな‥」

「それは菜花ちゃんが一番よく分かってるんじゃない?」

「ぇ‥」

「でしょ?」

「────」

そっか‥

そう‥だよね‥。

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