《MUMEI》
焼肉屋にて
「鈴木君、どうかしはったん?」


すかさずリナさんが鋭い質問をする。


「別にどうもしないよ。最近、連絡してなかったし、どうしてるかと思って…」


鈴木と詩織さんのこと、リナさんに知れたら、また変な計画を立てるから気を付けないと…


「美樹子さん、鈴木君と最近連絡してへんの?」


「うん、まぁ…」


あんたがうちに入り浸ってるからなんだけど…


「なら今晩は4人でご飯でも行こうや!」


リナさんがここぞとばかりに提案する。


「私は良いけど…タツヤ君は大丈夫?」


まさかリナさん、また何か変なこと思い付いたりしてないよね…


「俺らは大丈夫。どうせ今晩もいつも通り飲んだくれるだけだし」


「ほな決定!今から河原町に行くのもダルいし、そこの焼き肉に行こうや。」


「じゃ、俺は鈴木を呼び出すよ」



なんか…すごいトントン拍子に決まっちゃった…

鈴木とはあれ以来だし…なんか緊張するなぁ。
どうせなら二人で会った方がやりやすいんだけど…
しかもリナさんいるし…。ま、いっか。







「みんな何飲む???」


店に入ってからというものリナさんは張り切って場を仕切っている。


「もう邪魔くさいしビールにしよ!ええよな?」


リナさんはドリンクを勝手に注文し、肉まで勝手に注文した。


「私、肉にはちょっとうるさいねん」


リナさんは得意げに言うが誰も相手にしない…


「まぁまぁ、とりあえずビールも来たことだし乾杯しよ!じゃカンパーイ」


タツヤ君ナイス!





「それより鈴木!朝わざわざ電話してきたのに学校に来なかったでしょ!?」


わざと怒り口調で鈴木に絡んでみた。


「行こうと思って横になったら寝てた。ヘヘヘ」


恥ずかしそうに照れ笑いをしている。
その様子がいつもと違うからか、かわいく見える。
と、思った瞬間、


「あー、鈴木君の照れ笑いカワイー☆なんか胸キュンやぁ〜」


リナさんが言う…


私と同じこと思ってたなんて…


それに便乗してタツヤ君も


「じゃぁ、俺はー?」


「タツヤ君もかわいいけど鈴木君には劣るわぁ。ごめんなぁ」


リナのバカ!


「なんだよそれぇ〜。まぁいいや。俺にはウッチーがいるし」


ブーーッッ!


「ギャーッ!!」


!?


鈴木が飲んでいたビールを吹きだし、リナさんの顔にビールがかかったらしい!?

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