《MUMEI》
9
それから一週間くらい経った。
あたしは心くんと学校でもそこそこ話すようになり、友達もできた。

席替えで窓際の席を気合いで勝ち取ったのが最近のニュースかな。


同じクラスの小原柚希(コハラユズキ)と部活見学に行った。

あたしは決まってる。

ずっとずっと、決めてたものがあった。
感動をもらったあの日から。


「…柚希?」

柚希は一点を見つめたまま制止していた。
グラウンド。
そこには野球部とサッカー部と陸上部、テニスコートでテニス部。

「かっこいい…かも」
「柚希?!」
「ほらっ!あの野球の…」
柚希の目は完全にその人しか見えなくなってるようだった。
「ハル、野球部のマネやるんだよね」
「うん」
「…あたしもやる!」


「でも!大丈夫!やるからにはしっかりやるよ
不純な理由でも頑張るから!」
真剣な柚希。

不純な理由なんだ…

でも、それは純粋な気持ちだもんね?

「頑張ろっか。ね、柚希」
柚希も笑う。






あたし達はその日入部届を野球部に出した。

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