《MUMEI》
11
「右から言ってって。中学でやってたならポジションも言って」
と平松キャプテン。

一番右のはっきりした顔立ちのきれいな男の子。「夏目凜太です。ピッチャーしてました」

次の切れ長の目でがっちりした男の子が低い声で。
「矢場渡流(ヤバワタル)です。キャッチャーやってました」

「花森あづさ(ハナモリアズサ)です。内野でした」
笑うとやえばがでる人懐っこい人。

「神楽栄(カグラサカエ)っす。中学ではバスケしてました」
イントネーションが大阪のもの。
バスケ部っぽい洗練されたかっこよさ。

「金丸証(カナマルショウ)ですえーっと、内野でした」
…!
気づいてたんだけどびっくりかも…

「花端心です。外野手です」
心くん。
光に透ける髪。
光…

「じゃあマネ自己紹介して」平松キャプテンは二人の女の先輩に視線を送る。

「私は桂井淡芽(カツライアワメ)です。よろしく」
ふわふわな髪の先輩。
リスみたいだ。
「笠原茜(カサハラアカネ)です。よろしく」
ショートカットの気の強そうな可愛い先輩。

「2年がいないから一年自己紹介して」
と平松キャプテン。

「合間倫子(アイマリンコ)です。よろしくお願いします」
姉御肌っぽいポニーテールの女の子。

「小原柚希です。頑張るのでよろしくお願いします」
とスイートボブの愛らしい顔をした柚希。

「三紀崎ハルです。よろしくお願いします」




ずっと憧れてた。

こうやって野球に関われること。

これからどうなるかなんてわからない。

何一つ見えない。

けど、やれる気がする。

この人達なら、やってくれる気がする。

…光。

希望を見た気がした。



空が、果てなく青いから。
風が背中を押してくれるから。



あたしの始まりは、今なのかもしれない。

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