《MUMEI》
魔女を貫く光の剣
「ココから先に進みたければ、俺達を倒して進むんだな。」
「劫火」はすでに炎を纏い、数人の命を絶っている。
「残り魔力・・確認。問題無し。戦闘を続行・・」
氷の壁を背に、着地したレイ。
「蒼海」をシンギに向かって投げ、ソレを受け取ったのを確認すると同時、眼前の「風姫」に向かって剣「プリウェン」を構える。
「デュアルブレイド、シンギ・ノトス。朱と蒼、受けれるモノなら受けて見せよ!!」
「雹刃、レイ・ノリス。全ては・・氷の棺の中に。」
後方ではすでにバンプや式夜、ごま、巴が戦闘を開始している。
遅れるものかと突撃していく。

「・・・ふむ。」
立ち上がるハンディング。
傷は浅い。
「シールド・・いや、「光」ですか。」
油断なく「エクスカリバー」を構えたまま、アルトレアはハンディングに確認する。
「ほぅ、初撃で見抜くとはな。・・良い眼だ。」
ハンディングが纏っているのはそれと気が付かないような僅かな魔力。
光を用いて、自身の居る位置の距離を騙す、蜃気楼のような防御結界。
「それほど・・距離は離れていない。10センチから20センチといった所ですか。」
「くっくっく・・その通りだ。」
振り向くような、自然な動作によって後方を薙ぎ払い正面のハンディングを見据える。
ソコにもハンディングの姿。
「化身を何体造ろうが・・」 「では、どちらが本物だ?」
正面にはハンディングが二人。
すでに放たれた火球と雷球がアルトレアに直撃していく。
さらに切り伏せた化身が宿していた魔法が発動、逃げ場を無くすかのように真空波が巻き起こる。
「私も・・甘く見られたものだ。」
その中に有ってアルトレアは完全に無傷。
「その程度の魔法など・・届きはしません。」
ドス・・
迷いも容赦も無い、二人居るハンディングの中間を刺し貫く。
「敗因は貴女の魔力の特異性。どれほど巧妙に隠したとしても・・」
ズブリ
一層深く剣を刺し込んでいく。
「見えていますよ。」
見えていた二人のハンディングが消え、「エクスカリバー」に貫かれたハンディングの姿が現れる。
それは致命傷と呼ぶに十分な傷。
剣はハンディングの体を貫通し、血に濡れた刀身が背から見えていた。

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