《MUMEI》
意識
「ねぇ、なんで鈴木じゃなくてタツヤ君と買出しに行ったの?」


鈴木とタツヤ君が帰り、リナさんと二人でベッドに横になっていた。
もちろんシングルなので窮屈だ。


「ふふふ。私、気ィきくやろ!」


「どういう意味?」


なんとなく分かってるくせに、わざと惚けてみる。


「んふふふ。鈴木君と二人にしてあげなあかんなぁ〜と思って」


リナさんはニヤニヤしながら答える。


余計なお世話なんだけど・・・
なんて思いながらも、実はちょっと感謝してたりして・・・


「リナさんは鈴木のこともう良いの?」


「言うたやろ!鈴木君は私向きじゃないって」


あぁ・・・なんか言ってたかもね。
そんなのイチイチ覚えてないよ。


「それに私は単なる憧れで・・・鈴木君とはほとんど話したこともないし・・・まぁ、ファン心理やわ」


鈴木のことをリナさんみたいに思ってる人、多いんだろうなぁ。


「美樹子さんは、えぇなぁ。あんなに鈴木君と近くて・・・」


近いのかな・・・
・・・近いのかも・・・

でも色気ないって言われるけどね(怒


「なんで鈴木君と仲良くなったん?」


え?


「なんでって・・・別に仲良くなるのに理由なんかないでしょ・・・気が合うとか?」


リナさん変なこと聞いてくるなぁ。。。


「それだけ?」


あぁ、なるほど。
また私が鈴木のことを好きだとか言うつもりなんだ・・・


「リナさん、いい加減にしてよ。そんなこと言われると、ますます意識しちゃうじゃん!」


「意識したらええやん!むふふふふ」


リナさんは相変わらずニヤニヤしている。


「酔っ払ってるでしょ?」


「当たり前やん!さっきまで飲んでたんやから」


そりゃそうだ。


「もうベッド狭いんだから、もう少しそっち側に行って!」


「はいはい。うるさいなぁー。ほなおやすみ☆」

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