《MUMEI》

「本当に大丈夫ですか?」
「ん…平気。おやすみなさい」

「おやすみなさい」

私は途中で美幸さんと別れ、一人で部屋に戻った。

後は寝るだけだった。


「ただいま。 …晶?」


いつもの鈴の音が聞こえなかった。

銀色の光は見える。


「晶?」


私は不安になって光に近付いた。


体を触って確認する。

どうやら…


(良かった)


私を待っている間に眠ってしまったらしい。


晶の顔の近くに耳を近付けると、寝息が聞こえた。


(さて、どうしよう?)


いくら痩せたと言っても、晶は男性だから、私には運べそうもない。


考えた末に私は


掛布団を引っ張ってきて、横向きで眠る晶と向かい合わせに横になった。


晶が風邪を引くかは疑問だが、何となく、そのままにはしておけなかった。


『溜ってるんですよ』


(まさかね)


私は、ゆっくりと目を閉じた。








(何か…)


太ももに


硬い感触がある。


(まさかね)


私は、晶のズボンに何かが入っているのだと思った。

だから私は、体を少し動かして、手探りで、晶のズボンのポケットまで手を動かした。

(え〜と…)

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