《MUMEI》
恐怖…真夏の労働者
カンカン照りの陽射しで、日影など皆無の工事現場。休憩時間も逃げ場が無い。こんな過酷な仕事場も一言で終わらせる事が出来るのなら。
「暑いっ!?」
であろう。一樹は、現場の隅に申し訳程度に個並べられた、パイプ椅子の一つに座って、肩から掛けたタオルで汗を拭いながら、そう呟いのだった。
「暑いね〜」
と、片手にスポーツドリンクを2本持つ、初老の先輩が独り言のように呟いて隣りに座り、ホレっと一樹にスポーツドリンクを渡した。軽く会釈をして受け取ると、一気に飲み干してから、その先輩に一樹は尋ねた。
「先輩、なんか怖い話とか無いんすか?」
「聞きたいか…」
素早い返答に少し驚いた一樹に構わず、先輩は続けた。
「お前、携帯持ってるよな?」
ハイと答える。
「データフォルダの中に見覚えの無い画像が有ったら、お前どうする?」
「別に…何もしないと思いますけど…」
「削除しないと…」
と、言い掛けて先輩は俯いた。
「えっ?」
一樹は、聞き直したが返事が無い。
一樹が隣りを見ると、先輩は俯いたままだった。よく見ると、様子がおかしい。この暑さなのに、先輩は汗を掻いていないのだ…
慌てて一樹が肩を叩こうとすると、先輩はその場に倒れこんでいった。



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