《MUMEI》
魔女の優しさ
「・・・・ふむ。」
「ちゃんとコッチでも補正かけたもん、そうそう変な場所には出ないよ。」
コーリア軍の中心と言える場所に居たハンディングと彩詩、ロアはテレポによって一気に移動していた。
ボンカーがロシュに渡した「ミニポータル」の高性能バージョンである「ポータル」をキティホークが持っているために出来たテレポ。
と言っても、大量の魔力が至る所で使われ、魔力が混沌としていた場からのテレポはハンディングの魔力を大量に失わせていた。
彩詩やロアも「エンジェルウィング」の副作用で魔力を使い切り、立っているのがやっとという状態。
「怪我はしてないんだけどね〜」
「体力が〜な〜い〜の〜・・」
座り込んでいる二人にはアイズが体力回復用の魔法や水などを渡している。
「ホーク、後は任せる。」
意識を失い倒れているアルトレアを見ながらハンディングが呟く。
「任せてよ。料金分の働きは・・」 「師匠!!」
アイズの突込みが入る。
「くっくっく・・立派に悪い見本になっているようだな。」
可笑しそうに笑うハンディングがアルトレアの頬に再び触れる。
「損な性格よね、ハンディングって。」
キティホークの言葉に苦笑しながらもハンディングはそのまま・・
「・・ヴァニル・ハイドルム。」
一言の呪文を口にする。
その言葉を言い終えるとハンディングが意識を失って倒れた。
やれやれ、とキティホークが二人に高位治癒魔法を使用した。

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