《MUMEI》
召還、鳥
「重ね、携え、歌い・・ココに詩法の理と化す!!」
風水士にとって魔力は声を広範囲に届けるための増幅器に近い。
事実、魔力が尽きている状態でも風水士は術を行使できる。
大型の術を発動するためには大量の精霊の力が必要。
ならば・・歌を続ける事で、蓄積していけば大型の術は行使できる。
「ここに・・・顕現せよ!!」
禾憐の声に答え、風が形持つ。
周囲の樹木が押し潰され、消し飛んでいく。
創り出されたのは巨大な鳥。
「ヒューーーィ!!」
鳴き声と共に、巨大な翼が暴風を巻き起こす。
「早く、捕まって!!」
「は・・はい!!」
ロゼが即座にセイを鳥の背に乗せると自身もそのまま乗り込む。
「上に逃げても・・攻撃は来るぞ?」
「確かにね・・でも今よりマシでしょ?」
リースが鳥に捕まったのを確認すると禾憐も鳥に飛び乗る。
「飛んで!!」
「ヒューーイ!!」
再び暴風が吹き荒れ、鳥が飛び立つ。
「く・・逃がすな!!」
遠距離魔法が次々詠唱されている。
ロゼ達に向かってリアムが跳躍、鳥の背に飛び移る。
「うっわ!すご。ふかふかだ!!」
即座に、臨戦態勢をとるロゼと禾憐。
「味方です。安心してください。」
「そなの?」
「そうでしたか。」
リースの言葉に二人が警戒を解いたが、
「ふかふか〜」
リアムは鳥の羽毛に夢中。

「結構・・飛んできてる。全部直撃したらヤバイかも・・」
後方には多数の魔法。
しかも高誘導性の魔法ばかりのようだ。
「撃ち落す、それで問題は無いだろう?」
ヒュヒュ!!
リースの腕には彩詩と同じ手甲型の可変弓。
次々と矢を放ち、魔法を相殺していく。
「参ったな・・小型のばっかりだと手間が掛かるんだけど・・」
ヒュン。
放たれたシルフィールドは数発の魔法を打ち消しながら軌道を変化させ、次々と消していく。
「頼もしいものですね、禾憐。」
遠く、オデッセの部隊が見えている。
「ロゼ様、方角・・お願いします。夜目あんまり利かなくて。」
「そのまま・・真っ直ぐ。すぐにオデッセの部隊と合流できます。」

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