《MUMEI》
皇女の信念
ザシュ!!
数人目の竜騎士を斬り捨てたが、ロゼの顔には濃い疲労が見て取れる。
「グングニル」の使用、一時的とは言え完全な暴走状態になった事、そして捕虜になっていた際の魔力の流失、そして翼の使用。
体力的にも、精神的にもすでに限界を超えている。
「はぁ、はぁ・・マズイですね。抑えが、効か・・・ない。」
ゾワリ・・
背筋が凍りつくような恐怖と昏い愉悦が理性を侵食していく。
ゾクン・・
ナンデオサエルヒツヨウガアルノ?
「私は・・私は!!」
ザン!!ザシュ・・
さらにもう一人の竜騎士を斬り伏せるが、自身も傷を負う。
セイニケガヲサセタノニ・・
意識が塗りつぶされていく。
ドウシテ、コロサナイノ?
ジャマモノハスベテコロセバイイノニ・・
視界が紅く染まっていく。
「もう狂気などには・・侵される訳にはいかないのです・・」
ザンザン!!
壊れかけている意識を掻き集め、ただひたすらに剣を振るい・・禾憐達を追う竜騎士を倒していく。
ソウ、ゼンブコワシテ・・
クダイテ・・
コロシテシマエバ・・
クルシイナンテ・・
オモワナイノニ・・
「違う・・違う、違う!!」
自身の闇を必死に否定し、振り払う。
その目に迷いはなく、怯えも無い。
ただ、真っ直ぐに。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫