《MUMEI》

「失礼します…。」


紫吾は血で汚れた手で、ふすまを開けた。


「紫吾どうしたの?あっ!」


婁塙は墨で俳句を書いてる所だった。


「どうしたの?早く中に入りなさい。」


婁塙は慌てて言い、立ち上がりすぐにふすまを閉めた。


「何があったの紫吾、この血は誰の?」


紫吾は下を向き、小さな声で答えた。


「痲梁の血です…。」

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